【ペット・ロスのおはなし 第1回】

Yamanaka Shigetsugu By: Yamanaka Shigetsugu | Posted: 2021/09/13

はじめまして。ペット・ロスを主にカウンセリングしてます山中と申します。

ペット・ロスをテーマに書いていきますのでよろしくお願いします。



「ペット・ロス」ってご存じでしょうか?


近年、推しの芸能人が結婚したり、引退したりするとニュースやSNSで「〇〇ロス」と言う言葉をファンの発信で良く聞くようになってきました。

ロスとはすでに日本語になってますが、「喪失(そうしつ)」と言う意味ですね。あったモノが失われることを言っています。(漢字の意味を見ればもっと激しい意味合いです。)


「〇〇ロス」という使われ方をする時は、「何か自分の中にあった〇〇に関係するモノが価値を失くしてしまった」という心情を表すようです。

対象が芸能人やアスリートなどの相手だと、ほのかな恋心や憧れ、笑顔を自分に向けてくれていたということなどが自分自身への活力源になっていたと言うことと思います。


それが自分以外の誰かに身体ごと持って行かれた、犯罪を犯した、もう自分には気を向けてもらえない、となるとどうなるでしょうか?

悔しい気持ち、それまでの想いが覆されるような気持ち、奪い取られたような気持ち、相手がいればその相手への強い怒り、妬み、色々と湧き上がってくるのではないでしょうか。


もし、ここで「うんうん、私もそう思います」と思った方、いたって心のバランスがとれていると思います。嫌は嫌、好きは好きと言えると思います。

推しならば所属が替わっても、結婚しても、子供が生まれても、引退してもどんな形になっても応援していくことと思います。

犯罪はどうでしょうか?人によると思いますが、更生したなら普通に応援したいところです。


逆に、「もう冷めた」と思われた方、投げやりすぎです。

求めていたモノが前述の方とは異なると思います。自分の中で急激に価値を失って、それまでに費やした時間やお金を全部捨てた様な気持ちになっています。

こういった方は要注意です。もう卒業したんだと納得して、次の推しを見つける方は前向きで問題ないと思います。

ところが、何もしないでぼーっと抜け殻になってしまった様な状態は色々な面で要注意です。これはペット・ロスになっている方にも関係します。


さて、「ペット・ロス」です。

推しの相手は、いわゆる愛玩動物と分類されているイヌ、ネコ、ウサギ、ハムスターなどの小型の哺乳動物、セキセイインコ、カナリア、文鳥などの小型の鳥類、ヘビ、トカゲやカメなどの小型の爬虫類、金魚やグッピーなどの小型の魚類、昆虫類もあります。小型であることには限定されませんけども。


どこに推しを感じているかは人それぞれですが、ペットをとても大切に想っていることは共通しています。

家畜のウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、アヒルもペットとは少し違いますが、動物との付き合いの中では同様に「アニマル・ロス」と言うモノもあります。

野生動物に対しては…、皆さんがどのように感じておられるか分かりませんが、ペットと同じように気心知れた関係になっていたとしたら「アニマル・ロス」ということになろうかと思います。動物園の動物たちはこれに近いかも知れません。飼育員さんが主に関係すると思います。


大切に想っている彼らが自分のところから遠くに連れ去られた時、これは生死を問いませんが、おおむね亡くなった時に「ロス」感情が押し寄せてきます。

ほとんどの動物は人間よりも寿命が随分短いのですが、とても可愛がっていた動物が亡くなった時に激しい喪失感に見舞われます。

日常が普通に送れない程に一日中感情が悲嘆にくれるという重い症状になってしまい、これをどうしたら良いのかと相談を受けます。


多くは気持ちが沈む、悲しい、涙が止まらない、身体が痛い、頭が働かない、ペットが亡くなった時の姿が頭から離れない、という症状です。鬱にも似ています。

人によっては、自分が仕事に行っている間に亡くなってしまい、あの時にこうしていればと酷く悔やまれて仕方がない、もう自分も死んでしまいたい、とずっとそればかり感じる方もおられます。その方々の背景事情も相まって、メンタルが弱っているところにさらにペットの死が覆いかぶさって、問題を大きくしているように感じます。


メンタルが比較的コントロールできていたらどうなるのか?

仕事場では普通に人と話せるし、感情の起伏もいたって普通。でも一人になって静かにすると、フラッシュバックが押し寄せて涙が止まらない。なんでそうなるのか理由が分からない。自分は大丈夫と思っているが、これはペット・ロスなのか?と。


ペット・ロスとは、このような心のバランスが崩れた状態が数カ月から数年、毎日のように続く症状です。

完全に病気とは言えないまでも、完全には精神疾患とも言えないとても不安定な状態です。部分的にはそう思えなくもないですが、日常の別の不安要因と重なると悪い方向にしか向かわないのではと感じます。


どうしたらこれを治せますか?


「いや、そんなこと訊かれても、結構難しいです。」私なら最初にそう言います。すぐに治るわけでもないです。しかも医師がいれば治るわけでもないです。

「完治」と言う意味なら、記憶を元から抹消しない限りはないと思いますよ。その代わりペットの想い出も何もないです。


「現状を何とかしたい」と理屈っぽく考えたり、何となくでもそう思える方なら、今よりは改善はきっとできると思います。それに、そのためのカウンセリングの方法はいくつかあります。何とかしたいと思われる方は、苦しい中でもとても理性的と思います。少なくとも自分から話はきちんとできて、意見もきちんと聴いてもくれそうです。


ペット・ロスから抜けるにはそういう対話の作業がまずは要るんですね。どんな風に取り組めば良さそうか、次回お話ししたいと思います。


次回につづく 


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