【ペット・ロスのおはなし 第4回】
By: Yamanaka Shigetsugu
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Posted: 2022/05/07
こんにちは。ペット・ロスを主にカウンセリングしてます山中と申します。
第4回目は、ペットロスで取り組んで貰いたい「向き合うこと」についてお話したいと思います。
ペットロスで苦しい想いをされている方から相談を受けたとき、ある程度の状況を教えてもらってからこういう質問をします。
・今一番に心に引っ掛かっていることは何ですか?
・それを考えると何も考えられなくなって自分が辛いですか?
こういう風に訊ねると、「自分のペットが亡くなって会えなくて辛い」と、答える方が半数以上です。
手で触れなくて、声も聞こえ無くて、温もりも感じませんから確かに辛いと思います。
ここでは「辛いと思うことはいけないことではない」と考えても良いと言います。そうじゃないと自分を全否定してしまうことになります。
いけないと思っても良いですけども、ちょっとの間くらいはその気持ちは横に置いてください。
一旦それを認めて貰うことで、今度は自分の心に向き合う準備ができます。
何年もずっと辛ければ決して良いことだとは言えませんが、そうでもないと思います。時にはそういう感情があることは必要と思います。
ここから辛さの原因について探っていきます。そこは手探りです。
ご自身の心はご自身が一番ご存じの筈ですが、捉えどころがありませんから外から少しずつ注目点を作って考えてもらえるようにしていきます。
例えば、ペットが病気だとします。「ペットをみてどんな風に感じていたか」を教えてもらいます。
・すごく痛そう
・申し訳ない(ごめんなさい)
・自分にはどうしようもない
・代わってあげたい
・治してあげたい
・元気でいて欲しい
「どうしてそう感じますか?」と質問します。
大抵は、ペットを家族であり自分自身の様に思って接しているからだと思います。
何でそう感じてたんだろう?と言う方もあるでしょう。
それぞれについて、話をしてもらいます。
ここでは、そう思うからどうだという訳ではなくて、そのための方法だとか、前後の関係とか、そう言うモノは一切考えません。
その感じた事だけに集中してより深く感じたままを話してもらいます。
話してみた後では、その中で何か気が付くことがあると思うんですが、そういうのがあったら良いと思います。
次の例えばですが、ペットに構う時間が無くてお別れになってしまった場合です。
・仕事を休めば良かった
・誰かに頼めば良かった
・休みの日にしないで、すぐにでも病院で診てもらえば良かった
・もっと調べて病院を選べば良かった
・ペットの具合が悪いことに全く気が付いていなかった
・ペットが呼んでくれていたのに気をかけなかった
こういう風に書くと、実際にそうだった方には結構辛いことになります。
けれども、それをもう一度想い返す作業が必要です。
ここでは、事実は事実として受け入れないといけないです。
「もしもこうしていたら良かった」は終わってから言えることで、その時には出来ないことだったんだと思います。
ここで、できるのであれば「その時の想いがどんなものだったか?」を再確認してみてください。
例えば、「仕事を休めば良かった」だとすれば、仕事のことをもう一度考えてみて、十分な時間があったのか、気持ちがどんなものだったのか、ペットへは気が向いていたかどうか、等を追体験します。
その時々での気持ちが大事な点になるのですが、一生懸命でしたでしょうか?それともいい加減な気持ちでいたでしょうか?別の何かに気を取られていましたか?
こんな風に一つ一つ見て行くと、ペットの死と自分の行動の因果関係がはっきりとして自分の行動に納得できるようになって行きます。
「ここで間違えていたなぁ。」と思ってしまったら、間違えていたことを声に出してみましょう。
「しくじったなぁ。申し訳なかった。」と反省するのも良いです。
そうやって、見つめて行く作業を重ねていきます。
ここでは反省する点が見つかったとしても、そのことで自分をダメな飼い主だったとか、資格がないとか、悔やむような事は考えてはいけません。
ましてやペットが恨んでいるかもしれないと考える事もダメです。
ペットがどう思っていただろうか?という事はひとまず後にしてください。まず自分を整えてください。
ただ、ただ、事実とその時々の感情を探って行きます。
何回か繰り返すと少しペットロスへの当初の感情的なモノが変化しているだろうと思います。
そういう点に少しずつ気が付くようにしていくと良いですね。
できるなら、時間をずーっと遡って要所要所で同じ様に感じてみてください。
これも何回か続けてみると次第に気持ちが和らぐ様なところが見つかると思います。
これは何日かかるか分かりません。
最近の状態を数日かけて、以前の様子を数週間かけて見て行く様な感じであれば2カ月~半年くらいの時間がかかると思った方が良いですね。
何にもしなかったら多分相当に辛いままです。普段からその様に感じて過ごして来ていれば数日程度かも知れません。
さて、これでペットロスは解消するでしょうか?
誤解の無い様に書きますが、「辛いという気持ち」は無くならないと思ってください。それは大切な気持ちの一つです。
いつでも想い出すことができます。その度に辛い想いがぶり返します。
ただ、その辛い気持ちの周りに色んな気持ちが寄り添うと、あれほど辛かったことがさほどにも苦痛では無いと言う様になります。
それが、「辛いんだけども受け入れられた状態になった」という事です。
最初の頃に比べると、ずいぶんと気持ちが鎮まった様に感じられるでしょうか?
そうなっていたら幸いです。自分で良い様に考えてみてください。
それまで「感じること」が主体でしたが、落ち着いたら「考えること」「思うこと」も少し入れてもらっても良いと思います。
今回の「向き合うこと」については以上で終わりです。何に対して向き合うかはその都度自由に設定して行きます。
次回は、「ペットがどう思っているか?」について飼い主さんの心の捉えどころについて話せればと思います。
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