子どものことで「誰にも言えない悩み」を抱えているあなたへ。それを家族の転機に変える方法

えみ By: えみ | Posted: 2026/08/18

こんにちは、メンタルラボの坂下絵美です。

今日は、いつもとすこし違うお話をします。

お子さんのことで、誰にも言えない悩みを抱えていませんか。

学校にけなくなった。部屋から出てこなくなった。急に別人のようになってしまった。あるいは、口には出せないような出来事が起きてしまった——。

ママ友にも、自分の親にも、職場の人にも言えない。「うちに限って」と思っていたのに。むしろ、これまで何もかもうまくいってきたはずなのに。

「なぜ、うちの子が」「私の育て方の何が悪かったのか」

夜、一人になるとその問いがぐるぐると回って眠れない。そんな毎日を過ごしている親御さんに、私はまずこう伝えたいのです。

結論:それはお子さんの「性格」でも、あなたの「失敗」でもありません。そして、今からいくらでも変えられます

私は東京大学の薬学部・大学院で脳の研究をしてきました。その立場からはっきり言えることがあります。

お子さんに今起きていることの多くは、「心が弱いから」でも「甘えているから」でもなく、脳の状態の問題です。

脳には、アクセルとブレーキがあります。不安や緊張が立ち上がる部分(アクセル)と、それを「大丈夫、落ち着こう」と上から鎮める部分(ブレーキ)です。そしてこのブレーキ役の脳の部位は、なんと20代半ばまで発達が続きます。

つまり、お子さんは今まさに「ブレーキを工事中」の状態で、強いストレスや環境の変化にさらされている。アクセルだけが全開になり、ブレーキが間に合わない。学校に行けない、感情が爆発する、閉じこもる——形は違っても、脳の中で起きていることはとてもよく似ています。

そしてここが最も大事なところです。

脳は、何歳からでも変わります。

これは励ましの言葉ではなく、「神経可塑性」と呼ばれる科学的な事実です。

ブレーキ役の脳は、適切な関わりとトレーニングで、後からいくらでも育て直すことができます。実際、私たちのところに来た親子で、そこから抜け出せなかったケースを私はほとんど知りません。

「今までうまくいってきたのに」——その気持ちの正体

ご相談に来られる親御さんの多くが、口を揃えてこうおっしゃいます。

「私自身は、勉強も仕事もずっと頑張ってきました。子育ても手を抜いたつもりはありません。なのに、なぜ」

このお気持ち、痛いほどわかります。でも、あえて踏み込んで言わせてください。

その「うまくいってきた」の中身こそが、実は見直すチャンスなのです。

いい学校に入る。いい成績を取る。周りから評価される。——私たちの世代は、この「ものさし」で頑張ることが正解だと教わってきました。そして無意識のうちに、同じものさしをお子さんにも当ててきたかもしれません。

お子さんが立ち止まったのは、多くの場合、そのものさしでは測れない「自分」を必死に守ろうとしているサインです。壊れたのではありません。むしろ、感受性が豊かで、まっすぐだからこそ、合わないものさしに全力でぶつかったのです。

だからこれは、お子さんだけの問題ではなく、家族全体が「借り物のものさし」から自由になるための出来事なのだと、私は本気で思っています。


実際に、こうして抜け出しています

私たちのところには、こうした「誰にも言えない」段階からのご相談がたくさん届きます。詳細は変えてありますが、共通するパターンをお伝えします。

あるご家庭では、お子さんが学校に行けなくなり、お母さまが半年間、誰にも打ち明けられずに一人で抱えていました。最初に取り組んだのは、お子さんへの働きかけではなく、お母さま自身が「学校に行けない=人生の失敗」という思い込みを手放すことでした。親の脳が落ち着くと、子どもの脳も落ち着きます。これは「協働調整」といって、子どもの感情のブレーキは、まず隣にいる大人の落ち着きを借りて育つからです。数ヶ月後、お子さんは自分の興味から学び直しを始め、今では「学校の外の広い世界」を目標に勉強しています。

別のご家庭では、「なぜこんなことをするのか」と行動を止めさせることに全力を注いで、親子関係が限界まで来ていました。方針を変え、行動を責めるのではなく「その行動が担っていた役割」——不安の逃し方、自分の存在の確かめ方——を一緒に見つけて、別の健全な方法に置き換えていきました。行動を「悪」として戦うのをやめた瞬間から、変化が始まりました。


共通しているのは、「子どもを元に戻す」のではなく、「親子で新しいものさしをつくる」というアプローチです。そして不思議なことに——いえ、脳科学的には当然なのですが——先に楽になるのは親御さん自身なのです。


これは「事件」ではなく「転機」です。

今は信じられないかもしれません。でも、後から振り返ったとき、多くのご家族がこう言います。

「あのことがなければ、私は自分の思い込みに一生気づかなかった」

お子さんの今の状態は、家族がもっと幸せになる道への、ひとつの入り口です。あなたが悪かったのではありません。ただ、これまでのやり方の「賞味期限」が来ただけです。そして脳は何歳からでも変わる以上、お子さんも、あなた自身も、ここから変わっていけます。

一人で抱えるには、この悩みは重すぎます。そして実は、一人で抱えている時間こそが、いちばんもったいない時間です。

私たちメンタルラボでは、脳科学にもとづいた個別コーチングで、お子さんとあなた自身の「これから」を一緒に設計しています。誰にも言えなかったことを、まず私たちに聞かせてください。そこが、転機の始まりです。


坂下絵美

女子学院→東京大学薬学部→同大学院薬学系研究科 薬科学専攻 修士課程修了(薬品作用学教室・海馬の神経回路研究、査読論文共著)→コロンビア大学教育大学院にて臨床心理学を研究。

アルファキャリアサポートでは18年間で累計8万名以上をサポート。メンタルラボでは、脳科学にもとづくメンタルコーチングで親子の変化を支援しています。

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