【不登校の相談】高校二年生、不登校で人生を悲観する娘が心配

よしの まきこ By: よしの まきこ | Posted: 2022/12/16

高校二年生の女の子
一年生の二学期から不登校です

自分で心療内科に行ってきてADHDと診断を受けたと
言ってきました。

多少、忘れ物は多かったですが、今まで学校で授業についていけないこともなく、多動のような症状はなかったと思います。

中学受験もしましたし、学校の成績も悪くなかったので、親としてショックでした。

「お母さんが自分のできないことばかりしつこく言うからつらかった。お母さんのせいで不登校になった」
と言われて

泣いてしまいました。

「看護師になりたかったのにADHDだからなれないし、自分の人生は終わった」
と言っています。

「悲観しなくても大学に行けば就職は何とかなるから、今は何とか学校へ行くように」

と伝えても行くといった日も家で寝ていたり、私が仕事に出ている間に
帰宅していることもあるようです。

このままでは大学受験ができないのではないかと心配です。



娘さんが、学校に行けなくなり
自分でADHDの診断を受けてきたとのこと。

お母さんはびっくりしますし、心配になりますよね。

娘さんはおそらく、今まで、
ADHD的な特性によって難しいことも、

「周りに合わせよう」「周囲の期待に応えよう」と必死にやってきて

心の疲れがピークに達し
学校へ行けなくなっています。


不登校の多くのお子さんが
そのように頑張りを重ねすぎて
学校へ行けなくなります。

その根底には「ありのままの今の自分ではだめだ」という
自己否定の気持ちがあります。
大人でも「燃え尽き症候群」などのように
がんばりすぎた後は
心と体が言うことを聞かなくなることはあるものですね。

このような状態に対して、
栄養療法の世界では
「副腎疲労」という概念があります。

ストレスに対応しようとするとき人の身体は「副腎」という場所から
ストレスに対抗するホルモンを出して
普段より多くのエネルギーを出します。

しかしこれが長期にわたりすぎると
ストレス対抗ホルモンが枯渇し
出なくなってしまいます。

すると、どんなに頑張ろうとしても力が出なくなってしまうのです。

お子さんはおそらく今この状態で
がんばろうとしてもがんばれないのです。

車で言えばガソリン切れの状態です。

まずは、休養が必要です。

休養してその後しっかりと
ガソリンを補充すればいいのですが

ガソリンには2種類あります。

それは、食べ物からとるいわゆる栄養素と
心の栄養素です。


①食べ物からとる栄養素

副腎を回復させるには

糖質、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル

がバランスよく必要です。

特に副腎疲労のときには
タンパク質、亜鉛、マグネシウム、ビタミンC、B、鉄
が不足していることが多いです。

副腎疲労では消化器も弱っているため
消化の良いもので
栄養をバランスよく
取っていくことが
早期回復のためのカギです。



②心の栄養素

心の栄養素とは
自己肯定感のことです。

自己肯定感とは

  1. 「自分はありのままでここにいていい」という自己受容感
  2. 「自分にはやればできる」という自己効力感

があります。

副腎疲労状態では
まずはいったん、ゆっくりと休ませることが重要なのですが、

このとき、ただ休ませるのでは足りません。

「安心して休んでいい」
「休んでいてもあなたを肯定します」
という周囲の態度が必要です。

「本当は学校に行かなければならないんだけど
今は休んでいい」

では、
お子さんは休んでいる自分を否定しながら
ただ家にいることになり
自己受容感が満たされて行かないからなのです。

しっかりと休養を取りながら、
同時にお子さんの自己受容感を満たしていくことで
回復に向かっていくんです。


そして、お子さんの存在を喜ぶ言葉をかけていきます。

「今日も笑ってくれて安心した」
「あなたが産まれてきてくれて
 お母さんは幸せだわ」
「あなたがそこに座ってるだけで
 お母さんホッとするわ」

こんな感じです。


すると、徐々にお子さんは自分を受容できるようになり
やがて「ちょっと買い物に行く」「友達に会ってみる」「一時間だけ学校へ行く」

などと動き出すことがあります。

このときも慎重に
「学校に行ってもいかなくても
 就職してもしなくても
 あなたはそこにいるだけで価値がある」

と伝えていくことが重要です。

上記のようにお子さん自身が自分をとらえられた時
つまり自己受容感が持てた時

初めて本当の「回復」への第一歩と言えるからです。


自己受容感が満たされると、
自己効力感を求めて
さらに少しずつ動き出します。

この時も、本人を信じて見守ることが大切です。

「それはよくないと思う」
「こうした方がいいのでは」

などの、心配の言葉は

「あなたの能力が低いから心配です」

というメッセージになって子どもに伝わってしまい、
自己効力感が上がっていきません。

自分で決めて、自分で失敗し、それを克服するお子さんを
全肯定しながら応援するイメージが良いと思います。

お子さんの意見には、反対だったとしても、
「なるほどそれがいいって思うんだね」
といったんは受け入れてあげましょう。

たとえば、ちょっと遠い学校を受験しようとしているならば

「遠すぎるでしょ!」

と否定するのではなく、

「通学についてはどう考えているの?」
などと、本人の考えを聞いてみましょう。

まだ考えていなかったらそのことを検討してくれるでしょうし
すでに考えがあるかもしれません。

このように、コミュニケーションを少しずつ変化させて
親からの指示・トップダウンの関係から
対等なコミュニケーションが取れるようになると、
お子さんの自己効力感はぐんぐん上がっていくでしょう。



まとめ

①不登校は今までのがんばりすぎが蓄積して起こっている。
②身体にも心にもそれぞれに、しっかりと栄養を摂っていくことが回復への早道
③心の栄養とは「自己肯定感」=自己受容感と自己効力感を高める接し方が大切


最後に、お母さんが「がまん」「自己否定」をしていると
それは子どもにとってお手本となってしまいます。

お母さん自身も、自分をありのまま受け入れ、
いたわっていきましょう。

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